倭国伝~中国が見た日本の1500年~ [書評]
尖閣事件をきっかけにして中国の対日戦略に関心が集まってる。この本は後漢書以来、中国の正史に記された日本についてまとめたもの。金印、邪馬台国、倭の五王、倭寇、秀吉の朝鮮出兵やそれ以外について書かれている。通して浮かび上がるのは中華秩序の中で日本を卑とする視点である。中国は日本の歴史認識を誤っていると声高に指摘するがこの1500年に渡った差と優越意識こそ改めるべきと思う。近代化で日本を先に越された劣等感も合わせ中国の日本を見詰める視線は屈折しており複雑である。そして21世紀。再び中国は帝国とかし近代の後れを領土拡大の形で取り戻そうとしている。世界には新たな民主主義と自由貿易主義への挑戦と映る。そして日本には領土と経済の侵略という形の挑戦状といった形で。しかし昨日の国会での山本議員の質問に答える菅氏を見る限りそうした認識は皆無だ。駝鳥はどうにもならない恐怖を感じたとき砂に顔を突っ込むという比喩がある。今の日本に重なる。傍には青竜刀を高く掲げた男が冷たい笑みをたたえている。
2010-10-15 09:04
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