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すでに世界恐慌? [ニュースコメント]

 今日18日のBSプライムニュースで神野清彦氏が今の経済状況はすでに世界恐慌だとし、重厚長大産業、自動車・家電輸出型産業の日本は危うい。産業転換してないゆえに世界経済の中で埋没してしまうと述べていた。1929年の世界恐慌の際でパックスオブブリタニカからパックjスオブアメリカーナへの転換など国際政治の文明史的なパワーバランスの移行があったとされる。同様に今もその時期にあるとの論理も展開していた。世界のパワーバランスと世界経済の中心産業構造はリンクして移動する。歴史は繰り返すというわけだ。やや乱暴な論理展開というか、不況になると繰り返される論理だ。隣にいた若い経済学者の小幡績はそんな簡単なもんじゃないとやや皮相的にやんわりと否定していた。筆者は小幡の意見に近い。小幡に否定された神野氏はややムキになってその後も自説を展開していた。ただ神野の今の世界的な経済危機は金融危機を財政が救おうとする結果、起きてるという指摘はその通りと思った。産業構造の転換はそう簡単にできるものではない。この20年、日本経済についてこのことがさんざん言われてきたのにできなかったのはなぜなのか、という疑問には答えてくれなかった。アメリカのように金融工学と高度情報産業を興せば違ったのだろうか?それは日本の場合今のところ失敗している。金融工学は90年代後半、レスター・ローの著書が読まれ、IT企業がはしかにかかったようにマネーゲームに参入したものだがごらんの通りである。またSONYは組織内でItunueとIpodのような音楽の配信システムを考えていたそうだが、著作権遵守にとらわれ、アップルの後塵を拝することになった。おそらく今後ともこの路線は無理なんではないかと思う。筆者が繰り返し指摘してるようにこのしばらくはテクノロジーを資源開発に集中させるしか今の豊かさやその上で成り立っている社会保障制度は維持できないのではないだろうか。小幡績の指摘で面白かったのは日本は覇権や中心と周辺といった従来的な国家像とは別の道を歩めばよいとの論。日本のような大きくなりすぎた周辺国家はどっちつかずで、その結果政治も経済も落ち込んでしまう。ガラパゴス国家と言われてるのはそういうことだということ。なるほど。

 

 


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jack

先が読めれば誰も苦労はしないですよね。それより原子力村に象徴されるような、多様性を拒む体制では危機管理と言う観点でよくない。ガラパゴスは豊かな自然の中で多種の生物が環境に適応しその結果が現れているので、他の世界に取り残されている訳ではない。ちゃんと自分たちで進化してきたのだ。
by jack (2011-08-19 18:43) 

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