SSブログ

日本政治を蝕むナルシズム~佐藤優・中央公論九月号~ [ニュースコメント]

 先日筆者は菅直人氏が戦後議会制民主主義が培ってきた何からしきものを破壊する資質を持つとの指摘を行った。その理由については論じなかった。元外務官僚の作家佐藤優氏が筆者の直観に通じることを論じてくれている。佐藤氏はフランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド氏の[政治エリートとナルシズム]についての警鐘をひもときながら、権力にしがみつく菅直人氏を「ナルシズムに囚われた政治エリート」とする。ナルシズムは政治家に帯びると反民主主義的な性質となる。とトッド氏の指摘を援用しながら論理を展開。筆者も思わず膝を打った。ナルシズムに欠けているのは他者への配慮、自らへの反省である。これが菅氏の「閉塞状況に陥ると国民やマスコミを幻惑させる唐突なアジェンダを持ち出し、政権批判をそらし、自己保身と責任転嫁としか思えないような言葉と手法に出る」につながる。長年の市民運動と政治活動の中で権謀術数を重ねながらナルシズムの罠に陥ったのだろうか。 佐藤優氏の論述の締めくくりはこうである。「鏡に映した自分の姿に見とれることではなく、鏡に映っている醜い欠点を矯正する努力することだ」ちなみに辞意を表明した菅直人氏が 8月16日、八重洲ブックセンターで購入した書籍の中に佐藤優氏の著書「予兆とインテリジェンス」(産経新聞出版)があったという。


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 2

jack

それでも管さんは原発を止めたし不十分ではあるけれど電気の買取の法律も作れそうだし漫然とやっていたら原発推進派に押され日本中の原発が再稼動していたかも知れない。少しは前に進んだと思う。
by jack (2011-08-22 16:29) 

共同体感覚

反原発や外交で威勢の良いことを言い放ち
肝心の経済政策で左右対立をしないのは
個人が分断された社会である証拠。

佐藤氏の言うことはトッド氏著書のデモクラシー以後の内容だろう。

政治家、官僚、労組の高学歴のエリート層がナルシズムに陥ると、弱者に無関心になるから社会設計を放棄し自己責任論を振りかざす。学歴に見合った職に就けない者は悲観主義になりエリートに協力しない。学歴がない者は社会設計を行わないエリートに失望し協力しない。これは米英仏と学歴が高止まりすると起こる。

ナルシストになるのは他者からの承認が無かったことへの反動で、
過剰なまでに人の目を気にし、自己実現、恋愛、金銭欲を求めて駆けずり回る。それを目指してることへの自信がないので、それを諦めた者を叩き安心する。ブラック企業経営者も本当は自信が無いから労働者に辛く当たる。自己啓発本が売れてるのも自分でどうにかしましょうという証拠。これが余計に他者からの承認を共同体から得られなくすることも分からずに買う人が多い。

解決策は新自由主義を止め、社会設計をすること。
それにはアメリカから離れ、ヨーロッパ、ロシアとの対話が必要。
by 共同体感覚 (2014-03-03 06:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。