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問われている民主主義~EUそして日本~2012/04/25 [政治]

 昨日はEU危機が西欧起源の民主主義に変容が起きているのではないかという指摘をした。フランスの大統領選における極右極左の関わり、そして終身上院議員であり、選挙というセレクションを経ていない学者を首相にしたイタリア。国民投票で揉めたギリシャは民主主義の生まれた国である。経済危機を発端にした民主主義の変容。
 中国が21世紀になりG2と呼ばれるほど存在力を増した。パックス オブ チャイナ と称されるまでに世界の覇権を伺うまでの力を蓄えている。その力の源泉は世界の工場と呼ばれる経済力と人口だ。中国は社会主義国だが改良型資本主義とも呼びたいほどのスピード感のある、経済運営を行っている。改良型社会主義は改良型資本主義ともいえるのではないか。民主主義が動揺し、決められない政治と揶揄され、あるいはイタリアのように国会議員や政治家が行政責任を放棄している状態。こちらは経済危機が民主主義と資本主義を遠心分離機にかけられたようにも思えるのだ。
 ひるがえって日本。勢いを増す「大阪維新の会」。その中で筆者が危惧感を持つのは橋下氏が「白紙委任」という考え方を折りにつけ強調している点だ。「選挙で国民から信任されたのだから、すべて任されたと考える」。こうした考えとつながっているとしたら慎重に凝視したい。常識的に考えた場合、外交防衛から財政政策、経済運営のすべてに国民は賛成して特定政党に投票しているわけではない。だがその党を選んだ時点ですべてその党の政策に合意したとその政党のトップが喧伝することに違和感を持つのである。
 「白紙委任」という考え方は「決められない政治」のアンチテーゼとして出てきた考え方だと思う。その決められない政治は「失われた20年」と呼ばれる経済停滞とつながっている。
 経済危機が民主主義を動揺させ、さらに変容を問う。選挙で選ばれてない経済学者のマリオ・モンティはスピード感あふれる改革でEU内での評価を高めているという、モンティ首相は3月に来日し、淡々とした口調で5ヶ月間の成果について説明した。成果を確実に上げていると筆者は思う。しかし「白いマリオ」ばかりではない。民主主義国家で選挙という手続きを経ないトップが誕生する装置は「黒いマリオ」も生む可能性があるのだ。歴史を振り返ればそんな例はごまんとある。

 


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