消費税の駆け込み需要と貿易赤字2012/09/10

　消費税増率前の駆け込み消費について新生銀行が男性会社員1000人にネット調査を行った結果が報じられている。4人に1人が購入を考えており、最も高い世代は20代の26.6％で15年前に消費税が3から5に上がった時の調査より6.9ポイント上がったのだという。これに対し「今の20代は経済状況が厳しい時代に社会に出ており、消費に対する考え方がシビアだ」という分析がされている。これは個人の消費に関してだが、国に考え方を広げるとどうだろうか。原発事故による再稼働問題で化石燃料の大量購入が毎年６兆弱の出費を余儀なくされた日本は貿易赤字国となった。所得収支などで経常収支は黒字ではあるが、もうけにくらべれば分不相応の出費をしていることは確かだ。このままでは3年以内に全国の電力会社が経営危機に陥り、さらなる電気料金の値上げと、政府による公的資金投入が視野に入ってくるが、そんなことを指摘するメディアは皆無でひたすら電力会社叩きを行っている。
 個人の消費に関してシビアな20代が社会の中枢に入ったときにこの時代の財布に穴をあけたような政府の財政と経済運営に「だらしのない時代」と批判される時代が来ると思う。