考える人 小林秀雄最後の日々 2013年4月17日 [随想]
- 作者:
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/04/04
- メディア: 雑誌
この3月は小林秀雄が死んで30年だった。あの時は教科書や試験問題でよく出てきた文芸評論家だったなとか、文学者の保守の総本山とか、文章は難しいけど座談は面白いな、といったものだった。訃報を聴いたその日は晴れてたような記憶がある。
「考える人」が河上徹太郎との座談を再掲し、さらにCDでも肉声で聞かせてくれている。文藝評論というジャンルを切り開いた二人。80を前に最後の対談であった。「歴史について」としているが話は最近の大河ドラマからヴァレリー、モォツァルト、太安万侶まで脈絡なく続くが、この二人にとっては「歴史について」とは関係なく、最近思ってること、そういえばこうだったよなと昔を確認したりといい意味でいい加減だ。タイトルは編集者があとでつけた程度のものである。なんとなく二人から伝わってくるのは互いに死を予期してるなということ。事実この対談から3年を経ずして二人は冥界に行ってしまっている。西欧の眼で日本を見つめ、日本の眼で西欧を見つめる。それは文学のみならず哲学や美術、音楽に及ぶ。敗戦にへこたれることなく日本を見つめてきた、そうした自負が伝わってくる。今の若い世代は小林秀雄をどうみるのだろうか。
「考える人」が河上徹太郎との座談を再掲し、さらにCDでも肉声で聞かせてくれている。文藝評論というジャンルを切り開いた二人。80を前に最後の対談であった。「歴史について」としているが話は最近の大河ドラマからヴァレリー、モォツァルト、太安万侶まで脈絡なく続くが、この二人にとっては「歴史について」とは関係なく、最近思ってること、そういえばこうだったよなと昔を確認したりといい意味でいい加減だ。タイトルは編集者があとでつけた程度のものである。なんとなく二人から伝わってくるのは互いに死を予期してるなということ。事実この対談から3年を経ずして二人は冥界に行ってしまっている。西欧の眼で日本を見つめ、日本の眼で西欧を見つめる。それは文学のみならず哲学や美術、音楽に及ぶ。敗戦にへこたれることなく日本を見つめてきた、そうした自負が伝わってくる。今の若い世代は小林秀雄をどうみるのだろうか。
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