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長島と松井・師弟にみる、今日本に欲しいもの平成25年5月6日 [政治]

昨日は後楽園ドームで国民栄誉賞授賞式が行われた。受賞者は長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の師弟コンビ。国民栄誉賞授賞式が官邸以外で行われたのが初めてならば、師弟コンビに贈られたのも初めて。安倍政権の格好のプロモーションになったという声はさておき、この日後楽園ドームは歴史的瞬間を祝ぐ雰囲気に包まれた。この授賞式を思い立ったのは誰だろうかと思う。ここからは類推だがきっかけは大鵬の死去の報ではないか。昭和の生んだスーパースターが死ぬまで国民栄誉賞をもらっていなかった。スポーツ選手は実績を残した年、もしくは引退した年に受賞する。元々この国民栄誉賞は王貞治氏がハンク‥アーロンの通算本塁打記録を塗り替えた年に創設された。第一号はもちろん王貞治氏。その頃長島氏は引退し巨人軍の監督となっていた。昭和の生んだスーパースター、しかも誰かを挙ろといえば真っ先に上がるスーパースターがこの国民栄誉賞をもらっていない。だがスポーツ選手は今まで実績を挙げた年か引退した年にしか与えられない。ならばその弟子の引退にちなんでその弟子ともども授賞させたらどうか。故あって弟子は引退セレモニーを日本で行われてもらっていない。その日はその背番号に合わせた5月5日のこどもの日。場所は二人にとって特別な場所でどうか。この連想が今回の師弟受賞のきっかけではないだろうか。 長嶋茂雄氏は2004年に脳梗塞を患い、以来闘病生活が続いている。リハビリを彼は「筋トレ」と呼ぶ。現役時代毎日欠かさなかった素振りのように「筋トレ」に取り組んだ長島氏。重症の身体麻痺からここまで回復したのは珍しいと専門家は言う。 昨日のスーツ姿はとても77歳とは思えない。病に倒れて以来の3349日目の昨日初めてファンの前でスピーチを行った。あの引退スピーチから14,083日の日が流れていた。
 一方の松井秀喜氏はどうか。先に記したとおり松井秀喜氏には国内で引退セレモニーは行われていない。松井氏は巨人軍と巨人ファンに常に申し訳ないという気持ちをこの10年抱いていた。それは巨人からメジャーへの移籍会見や昨日のスピーチで容易に理解できる。人一倍人間関係に気を使うとされる松井秀喜氏にとっては尚更の思いだったに違いない。実は彼は毎年恒例の年末帰省を今回は見送っている。関係者に気を使わせたくないという気持ちが滲む。そんな松井氏にとって今回の受賞は結果として日本復帰のイニシエーションとなった。受賞を断ろうとした松井氏を翻意させたのは長島氏の「一緒に受賞しよう」という言葉だった。師匠の長島が松井氏の背負っていた十字架を降ろさせたのである。受賞の際に右手不如意の師に即座に手を添えフォローする松井秀喜氏。本来は今日の主人公でもあるのに長島の後ろを遠慮しながら歩くこの男は今日のセレモニーで苦悩の十字架を背から降ろし、自らを癒すことができたのかもしれない。二人のスーパースターの前では総理大臣も引き立て役となる。アンチ巨人ファンであることをカミング・アウトし(恐らくは国鉄スワローズ以来のヤクルトファン?)始球式の主審を務めた総理大臣。主審の位置から彼は何を思ったのだろうか。長島の明るさ、松井の謙虚さと思いやり。そして二人に共通する人生を生き抜くための強い意志。これをこれからの日本の21世紀を生き抜くスピリットにしたい。そう思うのが自然だと思うのだがどうだろうか。

 

 

 

 


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