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オバマ氏の安倍政権の見方2013年6月30日 [政治]

 新潮45でジェフリー・ベーダー氏(前アメリカ国家安全保障会議上級アジア部長)がオバマ政権は安倍政権をどう見ているのか、インタビューに答えている。ベーダー氏はクリントン政権以来の民主党の対日政策に深く関わってきた人物である。まず歴史認識に関しては「失望を禁じ得ない」とし、麻生副総理の靖国訪問は賢明な選択ではないと考えている。尖閣問題を始め、凍り付いている日中問題についてはどうだろうか。中国の対応を決定的に変えた昨年九月の野田政権の国有化は「良くない決断」と言明する。さらにアメリカが日中関係に何らかの「調停」に乗り出す可能性についてははっきりとは言わないが否定的ニュアンスであった。難しさを増す日韓関係はどうか。ようするにアメリカは「もっとうまくやってよ」という立ち位置である。竹島上陸で日本から猛烈に批判された李明博大統領も評価し、不幸な出来事だと思いつつもそれが当時の韓国のムードを物語っているともする。安倍氏の「共通の価値を有する同盟」は一定の理解を示しながらもアジアを分断する、はっきりいえば「中国封じ込め政策」につながるような性格は好ましくないとする。さらに夏の参院選の争点のひとつにもなる憲法改正問題は、「日本が決める問題だ」と突き放す。総じて言えることはアメリカは安倍政権とは一定の距離を保ちつつ、中韓と付き合う、ある意味オルタナティブな位置を志向しているといえる。はたしてこの戦略がアメリカにとって吉と出るのか。連合国としての歴史認識、経済利益といった現実的対応。ベンダー氏は日本に対し「我々はベトナムとの関係において歴史を乗り越えた、それを学んでほしい」という。果たしてそうだろうか。中ソ関係の冷却化の中で米中が歩み寄った関係と同じではないのか?ベトナムは中国を牽制する中でアメリカに歩み寄っているだけかもしれない。小欄で以前にも記したが日本はあくまで「法の支配と民主主義の価値」のを共有化する立ち位置を変えてはならない。一方で東南アジアの繁栄を共創・共栄できる国としての役割を担わなければならぬ。その上で70年前の失策を戦略的に理解すべきだ。同じ過ちをしてはならない。


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