中国化する日本、日本化する中国 平成25年7月14日 [政治]
與那覇潤氏の『中国化する日本』。日本の歴史上第三のグローバル化(中国化)の波が押し寄せており、日中間の社会のなあり方を歴史的に比較検討しながら、今新たなグローバル化に対して日本の進むべき道を示唆してくれる著作だった。宋の時代に完成をみた社会基盤と日本の古来からの社会の有り様。この二つの文明の衝突がまた始まるのではというのである。一方柴山桂太滋賀大学准教授は今の中国を戦前の日本と似ていると指摘している(『反動世代』)農村と都市部の格差の拡大、輸出中心の産業構造と特権階級の富の独占。核心的利益の防衛と称しての領土拡大。中国版大東亜共栄圏構想。戦後の日本の経済成長もまたそうであろう。万博、オリンピック、新幹線と世界イベントと社会インフラ構築のパッケージ展開。与那覇氏は1979年生まれ、柴山氏は1974年生まれ。彼等の世代の問題意識のスタートに「グローバル化」にどう対峙していくかがある。90年代、アメリカからの圧力で受け入れた「グローバル化」は経済的側面で受け入れるものだったが、文化・文明の問題として考えなおさねばならない。1820年代から40年代に生まれ、黒船来航から開国へと対外圧力を痛烈に感じ取っていた180年前に生まれた世代の問題意識と通じるものがある。
2013-07-14 08:28
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