袴田事件と報道2014年3月28日 [ニュースコメント]
48年ぶりに釈放された袴田巌さん。78歳の高齢である。刑務所から出所し、ホテルに至る車の中をいわゆる箱乗りでテレビ朝日(報道ステーション)が取材した。裁判所に移動する以外では車に乗るのが半世紀ぶりと想像される袴田氏。取材陣は執拗に車中でインタビュー。故か袴田氏は車酔いし吐いた。にもかかわらずその後取材陣はホテルの地下の寒い駐車場で弁護士を使って更に長々とインタビュー。「何が食べたい?」「ステーキはどうか」「お酒も飲めるぞ」「ケーキは?」などとマイクを向ける。刑務所で半世紀世間と隔離され、釈放されたばかりの元死刑囚。人疲れでホテルのベッドに横になりたいのがありありと表情に出ている。報道ステーションでは「事件当時、連日十数時間の過酷な尋問を行った結果、事実に反して「やった」と自供を強制させられた」とリポートしていたが、この取材はその過酷な取り調べ同様の辛さにみえた。尚もカメラはホテルの客室までに及び、寝間着に着替える余裕もなく眠りこける袴田氏を撮影し続ける。そして眠りから覚めた袴田氏にさらなるインタビュー。「ふかふかなベッドですね」。いったいこんな取材が必要なのかどうか?検察に優るとも劣らない過酷で執拗な取材。大いに問題ありだ。
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