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清川あさみの刺繍アート [美術展]

 最近美術番組で時折みかける、清川あさみというアーティスト。これはと思った著名人の写真に刺繍を施す。
これが不思議にその人物の存在感と本質を際立たせる手法となっている。シュールレアリズムの空間にも似た雰囲気。テレビや雑誌で知られた著名人だからこそ、意外性を強く持たすことが可能なのだと思うのだが、彼女はどこにヒントを得たのだろうか。案外プリクラといった彼女の世代の身近な表現手法かも知れない。それをアートに止揚する、もしくは止揚されてしまう装置。著名人、人物の内面、質感・素材感のある付加。案外まったく別のジャンルで使えるアイテムの組み合わせかもしれない。

 

美女採集

美女採集

  • 作者: 清川 あさみ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/04/27
  • メディア: 単行本


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「茂吉の再生」2012/05/03 [美術展]

 今年は斎藤茂吉(1882-1953)の生誕130年である。故にメディアに茂吉や茂吉にゆかりある人々にふれた記事や番組を目にすることが多い。孫の斎藤由香が父北杜夫の伝聞を元にした鰻のエッセイ、長男斎藤茂太氏の茂吉の養父斎藤紀一のエッセイなどがこの1週間ほど、筆者の目に触れた。筆者にとって斎藤茂吉の歌は脂っこい、情熱的な歌で生きることのエネルギーを落としてしまった者にはやや辟易するのもある。だが、芥川龍之介が茂吉によって「詩歌に対する眼を開いてもらった」と激賞したように、西洋に対峙した日本の短詩系文学としての解答があったように思える。ちなみに筆者の好きな茂吉の歌は「最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも」である。
 4月28日から横浜の神奈川近代文学館で「茂吉再生」の企画展が始まった。初公開されるのは13歳の夏休み日記。寺の住職の元で詩歌や歴史、絵画を学んだ少年は早熟だった。筆者は作家の筆跡を見るのが好きだ。そのために文学館や博物館、美術館に足を向けるといっていい。その筆跡を見て作家のオリジナルな精神と、また経年変化による精神の彷徨を想像してみる。茂吉の筆跡は繊細で緻密に思えた。激情家にして論争好きの作家にしては、また豪快な大書「写生道」を知る人にとっては意外かもしれない。が激情家ほど内にそうした性向を秘めている場合が多い。だからこそ精神医学の道を選んだともいえる。筆跡からもうひとつうかがえたのは粘着質な性格だった。細かくそして均質的な字整然と並ぶ。義理の弟斎藤西洋に高校受験の勉強法を説いた手紙はその典型だ。こうした粘着質が五島茂や太田水穂との論争に遺憾なく発揮されていると思う。                斎藤茂吉が一般の人々に永らく愛されるようになったのは二人の息子によるところが大きい。斎藤茂太と北杜夫である。特に北杜夫の「楡家の人々」で斎藤家に連綿と伝わるエトスとパトスが豊かに表現されて人口に膾炙されるようになった。最晩年に撮った茂吉、茂太、そして宗吉(北杜夫)の写真がある。昭和二十四年。その頃箱根に持っていた別荘の周辺で撮影されたものだが、箱根の山を背景に老衰を感じさせる茂吉とこの頃はまだ痩躯の茂太、そして宗吉の三人の図。宗吉は大きなつぎはぎが二つあるズボンを履いている。妻輝子との別居を解消し、成長した二人の息子に支えられるように立つ茂吉。北杜夫は後に「この頃の斎藤家が今でも理想だ」といった趣旨のことを述べている。事実、戦争、病院経営、そして家族の問題を乗り越えてきた3人の表情は穏やかさに満ちている。死が訪れたのはこの写真の撮影から四年後の昭和二十八年。展示にはデスマスクがあった。意外にも小顔であり、あの特有の髭はついてなかった。

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第五十七回日本伝統工芸展 [美術展]

http://www.nihon-kogeikai.com/KOGEITEN/KOGEITEN-057/KOGEITEN-057-JUSYO.html
日本橋三越で開催されている日本伝統工芸展を観てきた。今年は独創的な作品が多くはなかったように、思える。
何か作家達が傾向と対策を練りすぎてるような気がしてみんな同じ方向を向いている。みな大降りの審査員がコメントのせやすそうな、広告代理店か受験生のごとき。

オルセー美術館展 [美術展]

オルセー美術館展に行ってきた。(国立新美術館)なんでもパリのオルセーが今改修中なので海外を作品が回ってるとのこと。MonetやCézanne、Gogh、Gauguin、Seuratなどおなじみの画家のあの作品が日本で見られる空前絶後の機会なんだそうだ。それにしても日本人は印象派が好きだ。宗教色がない、Japonismを受け入れてくれた、明治維新草創期、日本人が西欧に留学生を送り出したときに印象派の隆盛があったと、まあいろいろ挙げることができるだろう。個人的にMoreauのOrpheusの絵に惹かれた。死者の首への思ひは歌舞伎の妹背山婦女庭訓を想起させる。Orpheusの首を抱く娘の左足が美しい。
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