SSブログ

家政婦はミタにみる日本の縮図 [ニュースコメント]

「日本の縮図」などと書いて大所高所からものをいうつもりはないが。この番組が30パーセントの視聴率をとり、2011年のテレビドラマで最高視聴率をとるのは日本の今と強くリンクしているからだと思う。この番組を知らないひとに簡単に解説する。主人公の三田灯(みたあかり 演:松嶋菜々子)は家政婦。夫の不倫が原因で妻が自殺した家庭に家政婦として働いている。家庭には子どもが4人。妻の死の原因が夫の不倫であることが明らかになり、家庭は破綻し、夫は不倫を清算できないまま会社を馘首になる。完璧な仕事をこなす三田。しかし表情には笑顔はなく、業務命令には機械的なまでに忠実。しかしこの行動と振る舞いには凄惨な過去があった。トリックスターの役割を演じる三田。家族のコミュニティの破壊と修復、そして成長の物語。。。。。というものである。家族はそれぞれにありがちな問題を抱えている。不倫、不純異性交遊、いじめ。まともなキャラクターは幼稚園児の末娘くらいだ。どこか卑怯でうそつき、責任逃れに自己保身といった性向を持っている。他者の誤りや責任を追及するが自分には甘い。そういった危うい者同士が構成する家族に三田の冷徹な行動に依存し、振り回され、そして彼女の過去を知るにつれ自分をみつめなおし、家族をみつめなおし、そして絆を 絆を再び強める。筆者には視聴者はその家族に自分の家族を当てはめてみているのではと思う。阿須田家は現代のリアルなサザエさんの磯野家だなと。ここは同じだ、ここは違う。ここに共感するなどと思いつつみてるのではと思うのだ。毎回番組の冒頭で何気に用意された物や台詞がラストの芝居場で効果的に演出される手堅いシナリオはこの10年ほど小劇場でよく使われた演出だ。手堅いなと思う。筆者はこの阿須田家は今の日本社会そのものなのではないかと考える。家族を構成するものたちの危うさ、そして自信のなさはそのまま今のこの現実の社会である。職場でこの番組を見てる?って聞いても誰も見てるといわない。見てるというのが恥ずかしいのか、それとも職場で働く人とこの阿須田家はまったく違う次元で家族生活を行っているのか。おそらく前者だと思う。冷徹で完璧な三田との交流によって自然と家族の絆を再生する阿須田家。日本社会も何か他律的に今抱えている課題を解決できたら。。。そうした魂胆を抱えつつ日本国民という集合体はこの番組を見ている。だから30パーセントなのだと筆者は思うのである。最終回はどのような結末を迎えるのであろうか。
タグ:家政婦
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。