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下山の覚悟 2015年5月22日 [随想]

人生先が見えてくるとひとそれぞれだなと思う。うまく行かない場合は特にそれが顕著だ。投げやりになる人、寡黙になる人、卑屈になる人。
 先日大学の同期会に参加した。かくいう筆者は自分ではいい人生だと思っているのだが、他から見れば社会的には出世もせず、社会の片隅で生きてきた人生といったものだろう。元来が怠け者であるし、運にも恵まれない人生だと思って生きてきた。同期会に参加したときの感情。社会的にも家族的にも恵まれた友人をみると、学生時代は同じ一線にいたのにどうしてこんなに差があいたのだろうか。正直悔しいと思う気持ちもあるが、それと相反する祝福の気持ちも湧いてくる。若い頃には決してなかった感情だ。人生それぞれ、そして先が見え、さらにそのゴール、すなわち死が射程に入ってきたからかなと思う。
 人生あきらかに下山の時期を迎えたと思う。山道を登りながら苦吟し、道に迷い、道を間違え、道から外れ、道から転げ落ちたことも多々あった。しかし与えられた人生で自分の登るべき山は登り切った。これ以上は登らないと決めた。下山の時を迎えたのだ。しかし不思議なものである。そう思った途端に第二の人生が見えてきた。そして下山の仕方は登山同様いろいろあると考えるようになった。これまで同様迷いながら間違いながら今度は山を下りていくだろうか。そして最後は病との闘いという第三の人生とその先にある死。下山の勇気、それを楽しむ気概。かつて学生時代にとある山に登り、そして下りた。下りる際に鳥の声がやけに楽しく聞こえ、下山に要した時間もあっけなく感じた。これからの人生もそうなのか?そうであってほしい。

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