人間の建設2010/9/21 [書評]
岡潔の本は高校の時に「曙」を読んで以来何度か挑戦したが、さっぱりわからなかった。一方で20世紀の数学の大問題を独創的な発想で解明した天才数学者と紹介される。この書でその岡潔を理解するに小林秀雄を編集者は持ってきた。しかし話がかみ合ってるのかがわからない。あの小林秀雄ですら手に余るといった座談の空気が行間に読み取れる。小林にしてそうだから凡庸の筆者には一生不可能かもしれない。岡潔は時にどきりとする箴言を放つ。そこがまた岡のわからないところであり、魅力である。解説の茂木健一郎も中身について殆ど言及していないというかできないだろう。ただ岡のいう情緒についての彼の分析は少しだけ面白かった。岡潔は個人的には好きな学者で、彼が亡くなったときの朝日新聞の点鬼簿欄の揶揄には高校生ながらひどいと思ったものだ。
2010-09-21 18:05
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