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サンデーフロントラインの見えすぎるてこ入れ策 [ニュースコメント]

サンデーフロントラインが10月10日大幅な番組てこ入れを行った。この番組は田原総一朗のサンデープロジェクトの後継番組だ。しかし視聴率がふるわず、またサンプロ時代の政治経済界への影響力も失ったとされる。番組キャスターの小宮悦子氏は冒頭でこうあいさつした。「今日から番組が大きく変わります。キーワードは今何が大事なニュースか。」
 てこ入れ策とはこれまで出演して貰った識者16人を「選定委員」とし、今何が大事なニュースなのかを投票して貰う。それをランキングにして番組化するといったもの。よくあるてこ入れ策だと思う。おおかた企画会議でいいアイデアがでずに紛糾したあげく、誰かが「この会議自体を番組にすればいいのでは?」といったひとことにその場のアイデアなきスタッフが乗ってしまった結果だろう。夏休みの宿題の作文を書くネタがなくて、「なぜ作文が書けないか苦しんでる自分」を作文に書いて提出するようなものだ。プロデューサーは上司に「番組の企画会議を番組にするいわば「見える化」です。」などと理屈をつけて説明。合わせて経費節減ととセットにして出す。上司にとっては経費節減のほうが千倍ありがたいのだが。経費節減とはこれまでの著名で金のかかる識者の出演者を極力減らす。これはサンプロからこの番組に切り替わった際に実行したのだが、さらに徹底する。また朝日新聞などの関連会社のコメンテイターを多用する。理由はもちろん格安のギャラだからだ。その上コメンテイターの小粒感を隠すためにサンプロ時代からのつきあいのあるコメンテイターを「ニュース選定委員」としそのコメントは電話で取材、番組では彼らの写真付きで紹介する。ギャラは発生ぜすに取材への協力費のみ。
 しかしこうしたてこ入れ策は往々にして失敗すると思う。理由は視聴者をみない改革だからだ。「街場のメディア論」の内田樹はメディアの送り手の劣化が新聞やテレビ離れと断言している。今回の改革は経費節減が主軸でありサンプロ時代にあった「大事なニュースのそのキーマンに直撃する」という志からはそうとう劣化した印象を与えていると。
 後半の特集は従来のまま。だがコーナーの紹介はベスト10以下のランクのニュースに注目して取り上げると言ったいいわけくさい演出。所詮このてこ入れが糊塗策に過ぎず、番組の骨格はサンプロ時代とほぼ変わらないものだということを示している。テレ朝の改変策は朝のやじうま番組もしかり。経費節減に目がいくあまり視聴者不在となり、結果制作者の劣化を露呈する負の連鎖を招いている。
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