三酔人経綸問答 [書評]
三酔人経綸問答 (1983年) (岩波クラシックス〈25〉)
- 作者: 中江 兆民
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/02
- メディア: -
高校の歴史教科書に載ってたと思う。タイトルが面白かったので記憶している。この本が出版されたのは1887年。明治維新20年を経て国内的には内閣制度ができて2年、自由民権運動が激しさを帯び、国外的には欧米列強のプレッシャーに堪えながら富国強兵を取ることで外交防衛を模索していた時期だ。もちろん日米安保条約のような二カ国間の安全保障条約もなく、頼る存在も何もないなかで明治日本が荒波の航海を続けていた時期だ。洋楽紳士、豪傑、そして南海の三人が列強に対峙し、一方で民権運動の扱いに窮する政府を三者三様の見方で話す内容。この本を今の日本はどう読むのか。いや待てよ、この本を今の中国人ならどう読むのか。
平和ボケした日本人には独力で世界の荒波に立ち向かった先祖の偉さを、今の中国の世界に対峙する精神を
知る手がかりとなるだろう。
2010-10-21 13:16
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