特別な紅白平成23年~鎮護のイニシエーション~ [ニュースコメント]
昨年の紅白歌合戦。日本国民の中にはいつもとは違う思いで視た人が多かっただろう。理由はいうまでもなくあの震災である。万感胸に迫り、画面に向かって祈る松任谷由美、そして震災地で荘厳な照明を浴び歌う長渕剛。彼らをみてある感慨に入った。そして思った。これは鎮護国家の法要であると。東大寺大仏殿の開眼法要、元寇戦没者追悼の為の円覚寺開山法要にも匹敵するものではないかと。厳密には鎮護国家や仏教の教えとは異なるだろう。しかし今回の紅白歌合戦は震災で命を落とした人々、今も復興への闘いを続けている人への癒しと励まし、そして祈りの意味において前者の二つと共通の思いがあるに違いない。この国とこの国に住む人々、つまり日本と日本人の自らの宿命を乗り越えるためのイニシエーションともいえるのではないか。歌には、そして歌手にはそのイニシエーションを担う力がある。災難を乗り越えるinitiationは終わった。年は明けた。我々はまた一歩前に進むことになる。
2012-01-06 07:12
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