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家電ニッポンの終焉~日本企業のテレビから退場はあるのか~2012/03/29 [経済]

本日日経の社説では「蘇生力が問われる電機業界」と称して急激な構造変化を始めた電機業界について論じている。シャープが台湾の鴻海精密工業グループから10パーセントの受け入れを発表した。6年前売り上げが同じだった両者は今は鴻海がシャープの売り上げの5倍となった。昨日市場は好感しシャープ株はストップ高となった。2社の提携強化の背景にはアップル社の「iTV」がある。アップルが進出するスマートテレビを受注生産する基盤を作ろうという戦略だ。日本が得意としてきた「もの作り」しかしこのもの作りが最近、「もの」を考えることと「作る」ことの分離が進んでいる。前者の代表がアップルであり、既存の技術や部品を革新的な発想で商品を考える。それを受注して「作る」のがアジアを中心としたコストの安い家電産業。日本の家電業界はこの「もの作り」の分離の間の溝に落ち込んでしまった。そういう構図が透けて見える。シャープは鴻海と提携することで「作り」に徹する。こういう経営判断を奥田隆司次期社長は行ったのだろう。「モノを考えること」をやめ、マーケティングをやめる。もの作りの上部構造はアップルに依存し、今ある技術力を使ってアジアのコストパフォーマンスのある企業の工場で製品を作る。家電業界の中での帝国主義再編の中で窮地に追い詰められた日本企業のひとつの延命策といえる。もちろん日経社説はまだある可能性について言及している。円環330兆円の市場のうち、液晶テレビはわずか10兆円。27兆円のエネルギー関連機器、20兆円の医療機器の市場がある。ここにはアップルはまだいない。日本企業が「ものを考え作る」川上から川下まで一貫して主導権を握れる市場がまだ残っているというのだ。アップルのビジネスモデルはBtoCのみで有効という指摘もあろう。ところでアップルはテレビのあとは何を創造するのであろうか。自動車と教育と筆者は推察する。しばらくはカテゴリーキラーとしてのアップルの動向がもの作り日本の将来を左右する状態は続きそうだ。

 


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