電力会社赤字1.6兆円の示すもの平成25年5月1日

　筆者は脱原発の位置に立つものだが、2030年代の原発ゼロは実現不可能であり、この「戦い」は少なくとも半生記かかると考えている。エネルギー供給は高度な政治判断が必要であり、民主党のエネルギー政策は必ず破綻すると述べてきた。安倍政権の電力供給体制に対する施策についてはまだ議論が始まったばかりだ。そんな中、電力8社の経常赤字が1,6兆円になることが報じられた。筆者は以前再稼働なきままでは電力会社は3年で経営破綻、もしくは電力料金を2倍以上にしなければならないと述べてきた。円安でその傾向に拍車がかかっている。電力会社の経営努力は必要だ。公務員以下の給与体制も必要だろう。しかしそれだけではエネルギー供給体制は解決しない。例えばコンビニの24時間営業やテレビ局の24時間放送、公共交通の営業時間短縮など国民生活や経済規模そのものを縮小しなければ成り立たないと考えている。当然年金などの社会保障体制にも影響してくる。その覚悟が国民にあるとは到底思えない。