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メディア「萎縮の正体」 2016年4月5日 [政治]

 報道ステーションで古舘伊知郎氏が「最後のごあいさつ」と称して8分間のスピーチを行った。その中で印象的だったのは「窮屈になった」という文言。報道番組がやりづらくなったという。いいたいことがいえない時代という。
 三月に著名なニュースキャスターやコメンテイターが記者会見し、高市総務相の「電波停止発言」に異議をとなえ、政府の圧力に抗議した。
 「メディアの萎縮」といわれる。安倍政権に批判的なマスメディアは政府の圧力がそうさせているというが、はたしてそうだろうか。全然萎縮してないメディアがある。「文春砲」週刊文春である。甘利経済再生相を辞任させ、育休の宮崎謙介議員を辞職に追い込んだ。萎縮どころか元気はつらつである。
 『電波停止」については威嚇の度合では高市氏以上の発言をした与党議員がいた。民主が政権にあった時の与党幹事長興石東氏の発言である。「間違った情報ばかり流すなら、電波を止めてしまうぞ!政府は電波を止めることができるんだぞ。電波が止まったら、お前らリストラどころか、給料をもらえず全員クビになるんだ」。この発言を一部週刊誌は問題視したが大方のメディアはスルーだった。あきらかにダブルスタンダードがマスメディアに働いている。
 それでも古館氏がいうように「窮屈になった」のは二つの理由があると思う。一つは大企業病、もう一つはネットによるマスメディアのチェックである。朝日新聞の記者有志が慰安婦問題などを受けて文藝春秋から出した新書で「朝日問題」の原因を大企業病に求めた。組織内の官僚主義が誤報を認めない、失敗を認めない体質を生み出したという。これは案外当たっていると思う。そしてそれは朝日に留まらない。組織の中で生き残るにはミスを起こさないこと。コンプライアンスを遵守すること。実はこれが窮屈の主たる原因と筆者は考える。これと相補の関係にあるのがネットによるマスコミへの24時間チェックである。これまでマスメディアは第四の権力と言われた。その権力をチェックする第五の権力が誕生した。それがネットなのである。ミスを恐れる大企業病とネットによるマスメディアチェック。これが萎縮の正体だ。


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