大向うの人々 [書評]
元NHKのアナウンサー山川静夫の著。歌舞伎座改築を狙って企画されたと思う。なんとなく全体に昔はよかった、それにしては今はという全体の空気があるが作者はそれはしゃべらない。いい思い出はみんな歌舞伎座とともに自分たちの世代があの世まで持って行ってしまうぞ、いいな。という感じ。話し言葉の世界で育った作者は映像を読者に描かせながら読ませるのがうまい。歌舞伎座周辺の話はもちろんだが、彼の話し言葉と書き言葉の両刀遣いのテクニックも念頭に置きながら読むとまた興趣が違ったものになる。
2010-05-26 08:57
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