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新重商主義に思う [ニュースコメント]

佐藤優がいう「新帝国主義」とは今国際経済で議論されている「新重商主義」にほかならない。政経表裏一体のこの様相は先般放送された「坂の上の雲」でロンドンで外債獲得に躍起する高橋是清を見るに同じ。100年前の国際情勢を想起させる。日経24日夕刊「十字路」でみずほ総研の高田創は「新重商主義の戦場」と題したコラムの締めくくりで、「現在の日本に「坂の上の雲」たちの先人の危機意識はあるのか 」と問いかける。国債の評価で生き残りをかける「ソブリンワールドカップ」の時代。その勝負の尺度は経常収支の黒字か赤字。高田の指摘を待つまでもなく、ユーロ危機で我々が知るところである。本日日本の貿易収支が31年ぶりに赤字(2.4兆円)になったというニュースが。さらには経常収支までが赤字の危機にさらされている十の指摘。われわれ国民は豊かさを急激に喪いつつある

 アメリカに関するニュースがある。急激にエネルギー自給を高めているという。シェールガス増産と沖合油田開発で2035年には輸入の割合を13パーセントにするという。オバマ政権のイラク撤退、太平洋へのシフト変更はこうしたエネルギー政策が原動力になっている。TPP推進の背景でもあるわけだ。

翻って日本。筆者はかねてより日本復活の入り口は資源立国であり、海洋に眠る資源をテクノロジーによって生産することが興廃の決め手となると記した。エネルギー政策と日本のテクノロジーをさらに高度に応用しなければ生き残れないわけだ。福島原発事故の際、政府に当事者意識がまったくなく、総理は東電批判を繰り返し、電力供給について何も手を打たず、ただ脱原発を謳い、世論の批判をかわしていた。さきほどの報道で原発事故収拾の際の議事録も取ってなかったという愚かさを露呈した。

 新帝国主義と新重商主義。浮沈を決めるのはエネルギー政策だ。 


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