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民主主義の終焉~アメリカ・ギリシャ、そして日本~ [ニュースコメント]

 ダボス会議では世界経済のソブリンリスクについて議論が交わされた。リーマンショック以来、人々の価値観の中で一対のものと思い込んでいた資本主義と民主主義に乖離が顕著になった。しかもEUの経済危機でさらなる遠心分離が働いてるようである。昨年夏のアメリカのデフォルト騒動、そしてギリシャ政府の迷走。財政危機の基底には決断できない、そしてポピュリズムに支配された民主主義の危うさがある。年ごとに総理を代える日本もその例外ではなく、むしろ先頭を走っているといってよい。第二次世界大戦で連合国が勝利し、ベルリンの壁崩壊とソビエト連邦の解体は資本主義と民主主義の勝利であるとされた。両者はコインの裏表であり、二十世紀末の時点で多くの人々がこのアメリカ的価値観がこれからも続くと信じていた。

 10年を経た今、我々が直面しているソブリンリスクは資本主義の暴走とそれを制御できない民主主義の狼狽である。さらに世界経済に影響力を増しつつある中国は民主主義の手続きを経ない独裁的かつ迅速な決断で経済施策を打ってくる。かつては開発独裁は富の蓄積と経済の成熟化で民主的な運営に移行するとされた甘い予想は今見向きもされない。

 我々は民主主義と決別かもしくは距離を置かねば豊かさも、国の形も維持できないのであろうか。処方箋はあるのだろうか。筆者は今こそ日本的価値観を見直す時期だと思う。行き着くところは天皇の制度と政治のあり方である。ここで心したいのは左右のイデオロギーに影響なく、もう一度見つめ直したいのである。かつて埋棹忠夫が提唱した文明の生態史観は第三の視点を提示してくれたが時期が早すぎたように思える。しかし現実が思念を先取るかもしれない。デフォルトの危機を我々は常に感じながら日々生活している。何かが胎動しているような気がするのである。


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