円高でも円安でも空洞化は止められない~ディレンマの日本~ [ニュースコメント]
民主が政府調査会の下部組織として円高対策チームを結成したと報じられている。トップには仙谷元官房長官が就いたという。家電業界が総崩れの中ですでに遅すぎた動きであり、今年中に噂されている総選挙を前にしたアリバイ作りにしかとられないだろう。しかしここで留意しなければならないのは。単純に円高阻止だけでは空洞化は止めることができないことだ。背景は福島原発事故だ。2011年度の日本の貿易収支は31年ぶりの赤字となった。その大きな理由が化石燃料の大量購入だ。原発再稼働問題を抱えてる日本。国がエネルギー供給の道筋を明確に示さず、原発再稼働に自治体や反原発派の意向を伺うだけでほぼ無策の状態では電力会社はガスや原油を購入することで冬や夏の電力需要に備えるしかない。電力会社の経営基盤を脆弱にさせ、貿易赤字も膨らむばかりだ。そこへ円安圧力がかかると燃料費は高騰する。結果は企業の電力使用料の値上げにつながる。日本の企業向け大口電力使用料は韓国の3倍といわれる、それがさらなる値上げとなっては企業は国内での生産の採算がとれなくなる。勢い生産拠点を海外に移すということになる。円高と原発再稼働。この二つのディレンマを克服しなければ空洞化は止められないのである。
2012-02-03 09:11
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0