SSブログ

総崩れの日本企業のアジェンダ~脱輸出型への転換~ [ニュースコメント]

 パナソニックの大坪文雄社長は3日、決算説明会で「2012年度にV字回復を果たす」と述べた。12年3月期に過去最大の最終赤字になる見通しであることに関連して言及したのであるが、経営の抜本的な変更を言外ににじませている。その中身は「液晶パネルの非テレビ用途を50%を超える水準に一気に高める、モバイル端末やビジネス用途の展開をしており、医療関連などグローバル企業から採用を決定してもらっている」と説明している。「テレビ事業の高付加価値化を進める」ということらしい。同じ赤字決算のソニーもシャープも東芝も同様な経営改革を進めるだろう。パナソニックだけが飛躍的にV字改革を2012年度に達成できるとは到底思えない。

 一年に7800億円の赤字は巨額だ。サンヨー買収の費用が嵩んだとはいえ、数千億規模の赤字が数年続けば会社は破綻する。岐路に立たされた経営者。恐らく大坪社長の頭の中にはさらなる改革案があるのではないか。生産拠点をすべて海外に移すという案だ。「生産拠点原則海外」をすでに実施しているのが東芝である。テレビを例にしよう。家電量販店に行くと同じ画面の大きさでも他社に比べ圧倒的に安価なのが東芝である。東芝は減益ながら安定収益を確保している。

パナソニックは昨年九月に国内にある部品や原材料の調達・物流両本部の機能を、20124月をめどにシンガポールに移転する方針を明らかにした。その近隣周辺の東南アジア諸国に生産拠点を点在させるという戦略を前提にしていることは自明である。アジアの成長を取り組んだ模範解答だ。 おそらくこのパナソニック型(敢えてそう呼ぶ)空洞化対策は他の製造業も考えているに違いない。いや実態は進んでいる。タイの洪水の際、バンコク郊外にあれほど日本企業が集積しているとはと多くの人が驚いた。さらにその物流の拠点までが海外に移転していく流れ。明治以来ものつくりにレゾンデートルを置いてきた日本が問われている。システムを変えるるしかも早急に行わなければならないのだ。

ソニーがトップ交代を発表した。おそらくパナソニック以上の改革を51歳の社長は行うだろう。キャノンは元経団連会長の御手洗氏がキャノンの会長も社長も兼務することとなった。脱輸出型の製造業の転換。塗炭の苦しみがあるかもしれない。我々は乗り越えれるだろうか。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。