日本のディレンマ~円高でも空洞化、円安でも空洞化~ [ニュースコメント]
円高で日本企業が生産拠点を海外にどんどん移している。家電業界にとって中国や韓国のメーカーと渡り合うためにはもはや生産拠点を国内に持つこと自体が弱点となった。政府は中小企業を支援しているだけで大企業にはほぼ無策だ。大企業が海外に生産拠点を移せば中小企業は干上がるのにである。今後はブルーワーカー、さらには地方の雇用が急激に悪化していくだろう。そういう事態が確実に出来する。おそらくは事態が悪化してから慌て出すだろうが、効果的な施策はこの政府では無理だろう。所得の再分配も豊かな経済基盤があってこそだ。
一方ここに来て円安でも空洞化を促進する要因が指摘されだしている。それは電力供給の不安定である。東日本大震災以来54ある原発の大半が稼働を停止。電力会社はガスや石油の輸入を増加。それが電力使用量に反映し製品の原価に跳ね返る。そうすれば国際競争力に如実に反映する。これが空洞化圧力となるというのだ。
円高でも空洞化、円安でも空洞化。2月8日の日経記事で日本経済の海外所得頼みの鮮明化が報じられていた。月単位の経常収支は赤字という事態も今後は頻発するだろう。日本経済を様々な要因が衰退へと向かわせている。
2012-02-09 08:33
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