金融バブルの始まりか、それとも次なる試煉の前の「凪」か?株高・円安の動き [ニュースコメント]
日銀が1パーセントのインフレターゲット政策をとったとも思える白川日銀総裁の会見により、市場は反応。円が80円の大台に乗り、株価は上昇を続けている。これを日本が新たな金融バブルに入ったとの説を述べているのが元外交官の原田武夫氏だ。だが喜んでばかりはいられない。これを次なる市場でのもうけを狙うヘッジファンドが後で暴落することを予想して今のうちに株価をあげる相場を作り出そうとしているとも思える。まあ素人考えと言われればそれまでだが、マイケル・ルイスの最新作『ブーメラン』
を読むとあながち妄想とも思えなくなる。リーマンショックの際に大もうけした投資家は数百人の単位で存在したのだという。2月に国際経済で話題になった日本の貿易収支赤字と家電業界総崩れのニュースがマーケットに作用しているように思えるのだ。
日本はどうすればいいのか。原田はイノベーションを進めるしかないという。遠道ではあるがマネーゲームではない価値を生み出す王道はイノベーションだということだろう。それも中韓が簡単にキャッチアップやベンチマークできぬ画期的なイノベーションが今の日本に必要だ。この20年の情況は日本が資本を投入して開発した技術があっという間に流用され人件費の安さと汎用的な製品の大量生産で実利を奪われていった過程に学ぼう。「もの作りニッポン」は政府の無策が原因で崩壊に向かっている残り時間は短い。
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