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余命3年の非常時エネルギー体制~”方向性は正しい”が"破滅!に向かう日本~2012/04/22 [政治]

 テレビ東京の番組で田勢康弘氏が「このままのエネルギー体制では日本はだめかもしれない」と述べていた。ゲストの枝野経産相は「短期と中長期に分けてエネルギー政策は見ていかねばならない」と応えていた。
 5月で54基あるすべての原発が停止する日本。現在老朽化した火力発電所がフル活動で発電している。電力会社は石油メジャーに足元を見られ、ジャパンプレミアムという法外な値段で膨大な化石燃料を購入させられ、膨大な赤字を積み増している。そして日本は4.4兆円の貿易赤字を出した、経常収支赤字の可能性を市場は確実に視野に入れだした。六重苦というアンチビジネス環境に電力供給の不安という苦しみが加わった。電力価格は韓国のおよそ3倍という。日本の主力産業が急速に衰えだした。生き残るために生産拠点を海外に移転しだした。おそらく開発の拠点も生産拠点のそばに移るだろう。
 2年前にこのブログで書いた。日本の情況は1941年から1945年の戦時に似ていると。東日本大震災の前だ。欧米の帝国主義、植民地主義に対抗して五族共和・八紘一宇を掲げて戦った日本。結果は連合国の勝利となり、戦前日本はファシズムと侵略主義の国家ととして世界から否定された一方で戦後のアジア・アフリカに独立の動きを与え欧米の植民地主義を終わらせる端緒となったという指摘がある。敗者の無言の声。「方向性は正しかった。しかし日本は破滅した」。のである。

 今、日本がエネルギー体制で直面していることは「方向性は正しいが日本は破滅する」そのものではないか。今の日本のエネルギー体制が3年持つとは思われない。全国の電力会社は経営破綻し、それに莫大な国費が投入される可能性がある。電力統制が全国規模になされ、経済・社会生活が規制されるかもしれない。だがリアルに意識している政治家がほとんどいない。兵力、財政力、外交力すべてに劣った日本は日清日露、第1次世界大戦の成功体験に基づいてアメリカと戦争した。開国以来欧米列強に伍してきた中で作り上げた大義「八紘一宇」をl掲げて。「脱原発」は大義である。そして「自然・再生エネルギーへの取り組み」これもまた然り。それを今性急に正面から向かうことは破滅という結果を伴う。戦後国民は日本がいかに無謀な戦争を行ったかをアメリカからこれでもかと思い知らされ、そして本当の情報を知らされなかったことを知らされた。その4年前の12月8日、あの志賀直哉をはじめ大多数の国民が「爽快感」」とともに「歴史を動かす日本」に酔いしれた。警察予備隊が作られ、自衛隊と名前を変えたとき多くのメディアが「逆コース」として「いつか来た道」と批判した。いつか来た道は「知らないうちに」いつか来た道となる。エネルギー体制の危機は経済はもちろん財政、外交防衛すべてにリンクしている。「滅びの美学」というものがある。平家、南朝、豊臣家、そして大日本帝国。遡れば縄文人につながるかもしれない。破滅への避けることのできない衝動に我々はさらされている。正義が目の前にあればあるほど足元が暗くなることを知りつつ、我々は深い穴だらけの道なき道を歩んでいる。

 


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