原発再稼働なしなら電力9社の赤字2.7兆円2012/05/04

政府は原発再稼働なしなら電力9社の赤字は2.7兆円にのぼるという試算をまとめたhttp://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120503-OYT1T00536.htmこの額はパナソニック、シャープ、ソニー3社の前期の赤字合計額1.7兆円 を1兆円上回る。筆者はかねてより今のエネルギー体制では電力会社は3年は持たない。このままなら公的資金投入→国有化への道を辿ると指摘してきた。別に先見があるわけでもなく、誰が見てもそうなるだろう。見えないのはこの国の民がポピュリズムとルサンチマンで冷静な思考と判断力を失っているからだ。赤字は即電力会社の資金調達力にダメージを与える。すなわち原油やＬＮＧを買う資金が枯渇するという状態を引き寄せる。ピークカットどころではないのだ。原発安全保持のための資金もなくなる。公的資金の投入と総括原価方式による電力料金のさらなる値上げ。家庭用、業務用、製造用の電力総量の抑制。この国の社会経済に深刻な影響をもたらすのは必至だ。先週「関西を"脱原発特区”にせよ」」と皮肉じみた"暴論”を説いた。それが暴論どころか"正論”としてまかり通るような時代はもはや悪夢だろう。2.7兆円の赤字の持つ意味を深刻に考えるべきだ。