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大英帝国の衰亡2012/07/11 [政治]

日本は人口構成的にも、エネルギー体制的にも、そして経済構造的にも富を失い貧困向かって進んでいる過程」。筆者が小覧で繰り返し指摘したことであるが、我々日本国民はこの流れに抗することができないばかりか、危機意識を持っていない。その結果が永田町の混乱である。なぜ我々は衰亡から逃れることができないのか。そのヒントを与えてくれるのが『大英帝国衰亡史』(PHP文庫)だ。日本と英国。東西の島国。大陸のそばにありながら独自の経済と文化圏を築いてきた。地勢学的の類似性はかってから指摘され、日本も近代化の中で意識してきたはずだ。この書では19世紀から20世紀にかけてイギリスが大陸国家ドイツを意識しすぎたために衰亡をさらに早めたと記している。この本が世に出たのは1997年。香港返還の年である。西のイギリスとドイツの関係は東の日本と中国の関係に似てるかもしれない。イギリスやフランスに遅れて産業革命をなしたドイツはイギリスを追うように軍事膨張と植民地獲得に動く。同じく南沙や尖閣諸島など領土領海拡大を目指す中国がドイツに擬せられても不思議ではない。 1970年代から80年代、イギリスではサーッチャーリズムが巻き起こった。イギリス病を克服し経済のポートフォリオを作り上げる一方で格差拡大などの批判もあった。サッチャーの脳裏には大英帝国の衰亡の教訓があったはずだ。 この著をなした中西輝政氏は保守論客として高名となるのだが、90年代は英国との比較から日本を論じたものが多かったように記憶する。
 日本は地勢的に相似しているが文化や文明は異なる。だが漂流を続けるこの国には解決のビジョンが必要だ。大英帝国の盛衰に日本は学ぶことができるだろうか。


タグ:尖閣諸島
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