生存圏と領土拡大主義 海洋強国演説 2012年11月9日

　中国で5年ぶりの共産党大会が開かれている。習近平体制への引き継ぎとなるこの大会。主席の座を譲る胡錦濤氏の演説の内容に注目が集まった。要旨は二つで一つは2020年までにＧＤＰを2010年の2倍にすること、二つ目は海洋強国を目指すと言うことだ。これはある意味内圧で膨れあがったソーダ水の瓶の蓋ともいえる中国の日米への闘争宣言と言って良い。ＧＤＰ2倍はつまりはアメリカのＧＤＰを追い抜き世界一の経済大国になるということ。また日本の2倍のＧＤＰを持つことでアジアでの経済的優位性を日本にそして近隣に見せつけること。二つ目は東シナ海、南シナ海の中国権益を拡大し、そこで得られた資源を国内の格差是正に使おうというもの。冒頭タイトルの「生存圏」とはヒトラーが民族を養うために必要な領土・領海という意味でドイツの領土拡大戦略の土台となった概念である。今中国は自国の民を養うという理由で他国の領土・領海を侵略する、そういう国家に装いを変えつつあるのだ。貿易収支が中国冷戦で最大幅の赤字となったとメディアは報道しているが、共産党大会での胡錦濤演説は歴史的にもっと注目と報道、さらに分析されてよいだろう。各国のintelligence機関の分析はどうなのだろうか。