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新歌舞伎座こけら落としを前に2013年2月20日 [ニュースコメント]

 先日、日生劇場で二月大歌舞伎を観た。義経千本桜吉野山と新皿屋鋪月雨暈。幸四郎の口上は息子染五郎の復帰あいさつ。観客に安堵の雰囲気に充ちた芝居であり、観覧の気分はよかった。昨夏の事故以降歌舞伎界には不幸が相次いだ。特に勘三郎と団十郎の死は新歌舞伎座の舞台のど真ん中に立つ二人を失ったことであり、歌舞伎界に今危機感が奔っている。しかし筆者はある確信を得ている。30代40代の役者達の急速な進歩がこの危機を救ってくれると。大看板の喪失の後はなぜか救世主が現れるものである。希望的観測かも知れないが染五郎の忠信の激しい踊りを観てそう思った。

 


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