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渋谷ヒカリエの影2013年3月8日 [経済]

 5月にオープン1周年を迎えるヒカリエを歩いた。オープンの際に書いたことだが、ターゲットが30代、40代の女性であり、筆者のような中年男性には敷居の高い場所となっている。消費意欲のあるジェネレーションと女性をメインターゲットにするのを悪いと言ってるのではないが、マーケティングされ、失敗を嫌うこの国のビジネスマインドが個性のない街をあちこちに作られれるのは嘆かわしいと思ったまでなのだ。7階と11階のフロアを歩く。30歳の若いサラリーマンがローソンで買い物したり、カフェでコーヒーを飲んでいる。このフロアに入居している企業は今の勝ち組の企業らしいから、そのつもりで彼等の顔をしげしげと観察する。青白く、理系ののどことなく纖の細い若者が多い。日焼けしたうさんくささすら匂うバブルの紳士や若者たちとは真逆の人々である。11階のフロアからは富士山が見えるはずだが対面のビルが邪魔している。バブルの時期、ここから遠くない公園通りや道玄坂は競い合うように自己主張していた。大通りの華やかさと路地裏のいかがわしさ、そこまでも人工的に作ろうとしていた。消費のための属性を数限りなく用意し応えようとしていた。90年代に入ると街は「渋谷系」と称される若者の街となり、一方で安普請のチェーン店が増え、大通りにはあり得なかったコンビニが開店しだした。再びヒカリエ11階。手前には20代後半と思える男女がプレゼンの打合せをしている。両者も低体温系のぼそぼそしゃべり。タブレット端末とPCの両方使って数値の分析をしている。筆者には何関係の企業に属しているかは見当が付かない。80年代の狂騒、90年代の渋谷カジュアル、そして2013年のヒカリエ。日本が喪失していった過程の流れを感じ取ることができると言ったら大げさだろうか。
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