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池内論文が意味する東アジアの混乱 平成26年2月25日(火) [政治]

 池内恵氏が文藝春秋3月号に寄稿している「アメリカの覇権にはもう期待できない」は既に小欄で示したように示唆に富む指摘だ。詳しくは文藝春秋を読んでほしいのだが、中東に起きたパワーバランスの変化が東アジアにも起きるということである。それもアメリカがアメリカの同盟国と親米派を裏切るような形でもたらされる。ユーラシアグループのイアン・ブレマー氏の論を念頭に置いているブレマー氏はJIBs、すなわち日本、イスラエル、イギリスがG0時代において日本の同盟国が地域の問題をうまく処理できず、アメリカにとってやっかいな存在になっているとの論だ。しかしそれはオバマ政権からみてのことである。中東でのシリア問題処理に関するようにアメリカの影響力の失墜と内向き志向がアメリカの同盟国、しかもそれまでアメリカを支持してきた親米派との関係をご破算にするようなやり方でアメリカが地域の問題から撤退しているのが客観的な見方だ。池内氏は中東で起きたことはこれから東アジアでも起きると指摘している。昨今の日中韓の緊張とアメリカの関係。 池内の指摘は正鵠を得ていると思う。パワーバランスを失えば表出してくるのが地政学的な権力関係だ。池内氏の論考の東アジア版を先取りしていたのが入江隆則氏で『衰亡か再生か岐路に立つ日』で東アジアの現状は日清日露時代と同じだとしている。そこにはアメリカは日露戦争の仲介者と出てくるが、日本が対峙したのは清とロシアであり、大陸国が朝鮮半島を影響下にすることが日本の安全保障にとっていかに危ういかということであった。入江氏の著作が出たのは2006年。ブッシュジュニア時代である。先見といえる。

衰亡か再生か岐路に立つ日


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