中露の連携と日本 2016年1月15日 [政治]
『世界の軍事情勢と日本の危機』は日経記者の手による近未来の分析とシナリオが描かれている。これにはロシアがウクライナ、バルト三国に侵攻し南シナ海では中国が島嶼を侵攻。この局面でアメリカは中露との二面戦争を放棄。ひそかに中国と密約を交わしロシアとのみ交戦。在日米軍は撤退、国内でテロが頻発。政府は機能不全に陥り、そこに日本本土への中国の侵攻が開始されるというものだ。この展開に対し日本の戦争反対派は日本政府に「戦争反対でも」を仕掛けるが中露には沈黙。結果として中国の日本侵攻を手助けた。日本には中国政府の傀儡政権ができあがる。
荒唐無稽ともいえる。しかし20世紀の世界史では個別個別に起きた事象だ。日ソ中立条約、満州帝国立国の過程。ロシアは潜在的に中国警戒感を持ち、そう簡単には連携しないという指摘がある。だが帝国主義の時代である。イギリスが中国と連携し、独仏の政権幹部が北京詣でを頻繁に行う時代を20世紀に誰が想像したのか?中露の連携は経済的のみではない。去年九月の軍事パレード。ウクライナ問題で窮地に立ったプーチンは北京にいた。
安倍総理がロシアの地方都市でプーチンと会談するという報道が流れている。アメリカの説得が鍵だが、安倍氏はオバマ氏に中露連携の強化が極東アジアの安全保障にいかに危険かを主張すべきだろう。そしてキーエリアは中央アジアである。
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